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レーザー安全規格とクラス分類

レーザー製品に対しては、使用者への傷害を防止するための安全規格が設けられています。
「IEC 60825-1」はレーザー製品に関する国際規格であり、IEC加盟国に共通の安全基準となっています。
IEC = International Electrotechnical Commission (国際電気標準)

日本ではJISレーザー製品の放射安全基準「C6802」が規定されています。これは、IEC 60825-1を日本産業規格が翻訳したものであり、この規格に準拠していれば世界に共通の安全基準を満たしているといえます。
レーザーの波長や強さに応じた安全策、危険表示ラベルの表示内容などが規定されています。

JIS「C6802」によるレーザー製品の安全基準

「JIS C 6802」によるレーザー製品の安全基準は以下のとおりです。危険度に応じたクラス分けがなされています。

レーザークラス 基準
クラス1 直接ビーム内観察を長時間行っても、またそのとき、観察用光学器具(ルーペ又は双眼鏡)を用いても安全であるレーザー製品。
クラス1M 裸眼(光学器具を用いない)で、直接ビーム内観察を長時間行っても安全であるレーザー製品。光学器具(ルーペ又は双眼鏡)を用いて観察すると、露光による目の障害が生じる可能性がある。クラス1Mレーザーの波長領域は、302.5nm〜4000nmの間に限られている。
クラス2 400nm〜700nmの波長範囲の可視光を放出するレーザー製品であって、瞬間的な被ばくのときは安全であるが、意図的にビーム内を凝視すると危険なレーザー製品。光学器具を用いても目に障害が生じるリスクは増加しない。
クラス2M 可視のレーザービームを出射するレーザー製品であって、(光学器具を用いない)裸眼に対してだけ短時間の被ばくが安全なレーザー製品。光学器具(ルーペ又は双眼鏡)を用いて観察すると、露光による目の障害が生じる可能性がある。
クラス3R 直接のビーム内観察を行うと、目に障害が生じる可能性があるが、そのリスクが比較的小さいレーザー製品。目に障害が生じるリスクは露光時間とともに増大し、また意図的に目に露光することは危険である。
クラス3B 目へのビーム内露光が生じると、偶然による短時間の露光でも、通常危険なレーザー製品。拡散反射光の観察は通常安全である。
クラス4 ビーム内の観察及び皮膚への露光は危険であり、また拡散反射の観察も危険となる可能性があるレーザー製品。これらのレーザーには、しばしば火災の危険性が伴う。

FDAによるレーザークラス基準

アメリカでは、FDA(CDRH)が規定する21CFR Part 1040.10にレーザー製品に関する規制内容がまとめられています。
アメリカ国内への輸入、およびアメリカ国内でのレーザー製品の販売は「Part 1040.10」の要求事項を満たしていることが求められます。ただし、「Part 1040.10」の代替として「IEC 60825-1」を採用してもよいとされています(CDRH発行の「Laser Notice No. 50」による)。
「IEC 60825-1」のすべての要求事項が、CDRHによって許容されているわけではないので、その詳細は「Laser Notice No. 50」の確認が必要です。

レーザークラス 基準
クラス1 危険なものとみなさない。
クラス2a 400〜710nmの可視光帯域のレーザー光が分類されるクラスで、ある一定の時間(1,000秒)以内での観察は危険とはみなされないが、1,000秒を越えての慢性的な観察は危険とみなされている。
クラス2 400〜710nmの可視光帯域のレーザー光が分類されるクラスで、慢性的な長時間のビーム観察が危険とみなされている。一般的に、目の嫌悪反応(瞬き)により長時間の観察から保護されると位置付けられている。
クラス3a 放射照度のレベルにもよるが、慢性的なレーザー光観察も、一時的なレーザー光観察も危険とされる。光学機器を用いて直接レーザー光を観察することは危険とみなされている。
クラス3b 一時的であっても、直接レーザー光を皮膚や目にさらすことが危険とみなされている。
クラス4 一時的であっても、直接レーザー光を皮膚や目にさらすことが危険とみなされているだけではなく、拡散反射光であっても、皮膚や目に障害をもたらすとみなされている。

※ 弊社販売のレーザー加工機はクラス4です。

レーザー光線による障害の防止

日本では、労働安全衛生法(厚生労働省)により「レーザー光線による障害の防止策について」で安全予防策がクラスごとにまとめられています。措置内容の項目は以下のとおりです。

  • レーザー機器管理者の選任
  • 管理区域(標識、立入禁止)
  • レーザー機器
  • 作業管理・健康管理等
  • その他

| 安全基準について | ファイバーレーザー溶接機

ファイバーレーザー溶接機の取り扱いは、日本産業規格に定められた規格「レーザー製品の安全基準(JIS C6802)」に準拠することが推奨されています。この規格はレーザー機器による障害が発生することを防止する目的で策定されています。

クラス分け・安全対策について

JIS C6802ではレーザー機器の危険度に応じてクラス分けがされており、LCWシリーズは危険度の高い「クラス4」に該当します。クラス4であるLCW-1000/LCW-1500/LCW-2000/LCW-3000は以下に示す安全対策を実施することを推奨します。

  • 安全管理者の選任:レーザー機器やレーザー光線について深い知識を持つ者を管理者として専任し、障害の防止や製品の管理を徹底する
  • 管理区域の設定:溶接作業場所を区画し標識などで明示する
  • 保護具の着用:ファイバーレーザーに適した保護メガネ、保護手袋、長袖の服、革製エプロン、防じんマスクなど
  • 点検・設備:始業点検、一定期間ごとの点検・調整を実施する
  • 安全衛生教育:作業者に対する教育・訓練の実施
  • 危険物の持ち込み防止:爆発物や引火性物質を溶接作業場所に持ち込まない
  • 有害ガス・粉塵など:労働安全衛生法所定の措置を講じる

また、LCW-1000/LCW-1500/LCW-2000/LCW-3000は以下に示す安全対策を講じています。

  • 鍵による制御(キーコントロール)
  • 導通によるレーザー照射(トーチを素材に接触させないとレーザーが照射されない仕様)
  • 警告ラベルの貼付による注意喚起
  • アース接続によるレーザー照射制御(アースを接続しないとレーザーが照射されない仕様)






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