高圧ガス保安法
一般則例示基準 49. 設備の点検・異常確認時の措置
(規則関係条項 第6条第2項第4号、第7条第3項第1号、第7条の2第2項第1号、第12条第2項第2号、第55条第2項第3号、第60条第1項第18号)
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1. 高圧ガスの製造設備又は消費設備(以下「製造設備等」という。)の使用開始時及び使用終了時には、次の各号の基準により当該製造設備等の属する施設について異常の有無を点検するものとする。
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1.1 点検のため、次の準備を行うこと。
- 点検計画につき、保全・保安部門等関係部門及び保全担当者とあらかじめ協議し、これを定め、その周知、徹底を図っておくこと。これを変更したときも、同様とする。
- 点検計画に基づき使用するチェックリストを作成し、点検員に徹底しておくこと。
- 指示及び報告系統を関係者に明示しておくこと。
- 点検に使用する工具、測定器具、保護具等を点検、確認すること。
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1.2 製造設備等の使用開始時の点検は、次の各号について行うこと。
- 製造設備等の中にある内容物の状況
- 計器類の機能、特にインターロック、緊急用シーケンス、警報及び自動制御の機能
- 緊急遮断及び緊急放出装置、通報設備、除害設備、静電気防止及び除去設備その他の保安設備の機能
- 各配管系統のバルブ等の開閉状況及び仕切板の挿入、取外し状況
- 回転機械の潤滑油補給状況及び回転駆動状況
- 製造設備等の全般における漏えいの有無
- 可燃性ガス及び毒性ガスの滞留しやすい場所における当該ガス濃度
- 電気、水、蒸気、空気等用役の準備状況
- 保安用不活性ガス等の準備状況
- 保安用電力等の準備状況
- その他の異常の有無
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1.3 製造設備等の使用終了時の点検は、次の各号について行うこと。
- 使用終了の直前における各設備の運転状況
- 使用終了後における製造設備等の中にある残留物の状況
- 製造設備等内のガス、液等の不活性ガス等による置換状況。この場合、作業のため設備等の中に人が入る場合は、さらに空気による置換状況
- 開放する製造設備等と他の製造設備等との遮断状況
- 製造設備等の全般における腐食、摩耗、損傷、閉そく、結合部のゆるみ、基礎の傾斜及び沈下その他の異常の有無
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2. 運転中の製造設備等につき、1日に1回以上次の各号の基準により当該製造設備等の作動状況について異常の有無を点検するものとする。
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2.1 点検のため、次の準備を行うこと。
- 点検する設備、箇所、項目、点検方法、判定基準、処置等とこれらを織り込んだチェックリストを作成しておくこと。
- 指示、報告系統等を定めておくこと。
- 点検に使用する工具、測定器具、保護具等を点検、確認すること。
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2.2 運転中の製造設備等の点検は、次の各号について行うこと。
- 製造設備等からの漏えい
- 計器類の指示、警報、制御の状態
- 製造設備等の温度、圧力、流量等操業条件の変動及びその傾向
- 製造設備等の外部腐食、摩耗、亀裂その他の損傷の有無
- 回転機械の振動、異常音、異常昇温その他の駆動状況
- 塔槽類、配管等の援動及び異常音
- ガス漏えい検知警報設備の状態
- 貯槽の液面の指示
- 接地接続線の断線その他の損傷の有無
- その他の異常の有無
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3. 点検の結果、異常を認めた場合は、次の各号の基準により当該設備の補修その他の危険を防止する措置を講ずるものとする。この場合、製造設備等の異常な事態を想定して、あらかじめ、それぞれの措置について作業基準等を作成しておくとともに、緊急時における指示、報告及び連絡系統その他必要な措置に係る体制を定めておくものとする。
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3.1 製造設備等に生じた異常の程度に応じ、次の各号の措置のうち適切なものを講じ、危険を防止すること。
- 異常を認めた設備に対する原因の探求と除去
- 予備機への切替え
- 負荷の低下
- 異常を生じた設備又は工程の運転を停止して行う補修
- 運転を全停止して行う補修
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3.2 異常な事態により製造設備等を停止した場合は、異常の原因を究明し、適切な措置を施して安全を確認した上、運転を再開すること。
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4. 製造設備等の点検結果及びこれに伴う補修等の実績は、帳簿に記録しておくとともに、これを検討して、設備の劣化傾向その他特性を把握することにより、次回の点検、補修等の計画又は設備の改良に活用するものとする。