高圧ガス保安法
液石則例示基準 24. ガス漏えい検知警報設備とその設置場所
(規則関係条項 第6条第1項第29号、第7条第1項、第8条第1項第1号、第13条第1項第1号、第23条第1項、第53条第1項第5号、第58条第10号)
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1. 機能
ガス漏えい検知警報設備(以下単に「検知警報設備」という。)は、ガスの漏えいを検知した上、その濃度を指示するとともに警報を発するものとし、次の各号の性能を有するものとする。
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1.1 検知警報設備は、接触燃焼方式、半導体方式その他の方式によって検知エレメントの変化を電気的機構により、あらかじめ設定されたガス濃度(以下「警報設定値」という。)において自動的に警報するものであること。
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1.2 警報設定値は、設置場所における周囲の雰囲気の温度において、爆発下限界の1/4以下の値とする。この場合、警報設定値は任意に設定ができるものであること。
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1.3 警報精度は、警報設定値に対し±25%以下のものであること。
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1.4 検知警報設備の発信に至るまでの遅れは、警報設定値濃度の1.6倍の濃度において、通常30秒以内であること。
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1.5 電源の電圧等の変動が±10%あった場合においても、警報精度が低下しないものであること。
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1.6 指示計の目盛は、0〜爆発下限界値(警報設定値を低濃度に設定するものにあっては、当該警報設定値を勘案し、爆発下限界値以下の適切な値とすることができる。)を目盛の範囲に明確に指示するものであること。
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1.7 警報を発した後は、原則として、雰囲気中のガス濃度が変化しても、警報を発信し続けるものとし、その確認又は対策を講ずることにより警報が停止するものであること。
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1.8 検知警報設備は、1月に1回以上その警報に係る回路検査により警報を発すること及び1年に1回以上その検知及び警報に係る検査を行い正常に作動することを確認すること。
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2. 構 造
検知警報設備の構造は、次の各号に掲げるものとする。(4.の施設を除く。)
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2.1 十分な強度を有し(特にエレメント及び発信回路は耐久力を有するものであること。)、かつ、取扱い及び整備(特にエレメントの交換等)が容易であること。
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2.2 ガスに接触する部分は耐食性の材料又は十分な防食処理を施した材料を用いたものであり、その他の部分は塗装及びメッキの仕上げが良好なものであること。
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2.3 防爆性については、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第44条による検定に合格したものであること。
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2.4 2以上の検出端部からの警報を受信する場合、受信回路は、他が警報を発し回路が作動している場合においても、当該検知警報設備が作動すべき条件の場合は警報を発することができるものとし、かつ、当該場所が識別できるものであること。
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2.5 受信回路は、作動状態にあることが容易に識別できるようにすること。
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2.6 警報は、ランプの点灯又は点滅と同時に警報を発するものであること。
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3. 設置箇所
検知警報設備の設置は、次の各号によるものとする。(4.の施設を除く。)
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3.1 製造施設等(配管を除く。以下3. 2において同じ。)における検知警報設備の検出端部の設置場所及び個数は、次の各号によるものとする。
- 建物の中に設置されている圧縮機、ポンプ、減圧設備、消費設備(バーナ一等であってパイロットバーナー方式によるインターロック機構を備えガス漏えいの恐れのないものにあっては、当該バーナー等の部分を除く。)その他ガスが漏えいしやすい設備が設置しである場所の周囲であって漏えいしたガスが滞留しやすい場所(充てん口の周囲3 m以内の範囲を除く。)に、これらの設備群の周囲10 mにつき1個以上の割合で計算した数
- 建物の外に設置されている(1)に掲げる設備が、他の設備、壁その他の構造物に接近し、又はピット等の内部に設けられている場合、漏えいしたガスが滞留しやすい場所に、その設備群の周囲20 mにつき1個以上の割合で計算した数
- 貯槽に液化石油ガスを受入れ又は払出しをする場所の周囲に2個以上
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3.2 3. 1 の製造施設等において検出端部を設置する高さは、当該ガスの比重、周囲の状況、ガス設備の高さ等の条件に応じて定めること。
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3.3 警報を発し、及びランプの点灯又は点滅する場所は、関係者が常駐する場所であって、警報があった後、各種の対策を講ずるのに適切な場所とすること。
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4. 貯蔵能力3 t未満の消費施設(貯蔵能力1 t以上の貯槽による貯蔵設備の部分を除く。)にあっては、当該施設の規模、態様、周囲等の状況に応じ、適正な位置に適正な機能を有するものを設置すること。